1989年刊行 作者は小野不由美先生
全7巻のシリーズの第一作目
1989年に刊行されたときは原題が『悪霊がいっぱい!?』でしたが、
2010年にリライトされ発売された単行本にて『ゴーストハント1 旧校舎怪談』に改題されました。
これに合わせ次巻以降も改題されています。
また、2020年よりリライトされたものの文庫判も発売されました。
元は悪霊シリーズと呼ばれていましたが、改題されてからはゴーストハントシリーズとも呼ばれています。
この本のあらすじ
取り壊そうとすると祟りがあると噂される旧校舎。
主人公の谷山麻衣は、校長に頼まれ旧校舎を調査しに来た「渋谷サイキックリサーチ」の仕事を手伝うことになる。
しかし、校長が調査を依頼したのは彼らだけではなかった。
派手なメイクの巫女、長髪の坊主、関西弁をしゃべるオーストラリア人のエクソシスト、テレビに引っ張りだこのアイドル霊媒師……
旧校舎は本当に呪われているのか?
小野不由美先生の作品は(2023年7月現在)電子書籍化されていないので、紙の本しかないです。
感想
元々ティーン向けのレーベルから出版していたこともあってか、小野先生のホラー小説にしてはかなりポップなホラー。
主人公の女子高生、麻衣の一人称視点での地の文で語られるため、全体を通してかなりポップな文章で、麻衣の語り口調もユニークで面白いため読みやすかった。
「ゴーストハント」というタイトルから幽霊退治で幽霊と対決する話しなのかと思いきや、まずは科学的な側面から不可思議な現象は本当に霊の仕業なのか? をしっかりと調査するところがすごく面白い。
そして、登場する霊能者たちがかなり個性的で、ホラー・ミステリというよりもドタバタコメディー感があるが、ホラー・ミステリとしての物語の緩急も良くて、
幽霊の仕業じゃない→幽霊の仕業かもしれない→やっぱり幽霊の仕業じゃない→やっぱり……
と、二転三転し真相はどうなんだ? と先の展開が気になる構成になっていて読んでいて飽きない。
あと余談だが、単行本の表紙はコミカライズをしていた いなだ詩穂先生が担当しており、表紙、裏表紙といたるところに登場キャラクターが描かれている。
文庫本の表紙も水彩画チックでいいデザインだけれども、いなだ詩穂先生のイラストが描かれた単行本の方が内容にマッチしている感じがして好きだなあ。
あと、単行本は表紙の一部分が暗いところで光るのがいい。(1巻と6巻のみ光る)
まあ、文庫本の方が安価なのでそちらの方がおすすめですけれどね。
漫画化、アニメ化もされています。
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