初めに
2022年に刊行された白井智之先生の作品。
「奇跡が起こる町ジョーデンタウン。アメリカの学会に行ったまま帰ってこない助手がその町にいるとの情報を掴んだ探偵・大塒はジョーデンタウンを訪れ、不可能殺人に巻き込まれる。」
という物語。
同著者が2020年に刊行した『名探偵のはらわた』とは姉妹作になっていて、世界観を共有しています。
刊行されたのは本作の方が後ですが、作中の時系列は本作が前なので、この作品からでも問題なく楽しめます。
◇姉妹作『名探偵のはらわた』あらすじ、感想記事⇩
著者 : 白井智之
タイトル : 名探偵のいけにえ―人民教会殺人事件―
シリーズ : 名探偵シリーズ
出版社 : 新潮社
レーベル : 新潮社
判型 : 四六判変型(単行本ソフトカバー)
ページ数 : 414ページ(単行本)
発行日 : 2022 / 9 / 15(単行本)
2023 第23回 本格ミステリ大賞 大賞受賞
2022 週刊文春ミステリー 2位
2023 本格ミステリ 1位
2023 このミステリーがすごい 2位
2023 ミステリが読みたい 4位
あらすじ
七日には戻ってくる。そういってアメリカの学会に行ったきり、助手の有森りり子は帰ってこなかった。
りり子の上司であり探偵の大塒宗は、りり子が向かった先は学会ではなく、教祖ジム・ジョーデンが治めるジョーデンタウンであることを突き止め、助手を取り戻すためジョーデンタウンへ乗り込む。
教祖ジム・ジョーデンが治める “奇跡” が起こる町、ジョーデンタウン。
この町に病気や怪我はない。末期のガンは消滅し、戦争で失った両足ですら生えてくる。
そこで暮らすある信者は、教父様のおかげで顔の傷が無くなった。と顔についている大きな傷を指さして得意げにしゃべった。
りり子を連れて一刻も早くジョーデンタウンを去りたい大塒だったが、りり子の意向の元、町で起きた不可解な事件を解決するためジョーデンタウンに留まることになる。――
感想
面白い。
「圧巻の解決編150ページ」と書かれた帯の文言に寸分の狂いもなく、まさに圧巻の解決編。
二転三転したストーリーがさらに二転三転し、興奮でページをめくる手が止まらなかった。
白井先生の持ち味は、一つの事件に対して複数の解答を行う多重解決ミステリだが、この作品ではその持ち味のキレが増しに増している。
姉妹作の『名探偵のはらわた』と同様にグロテスクな表現は抑えられている。
なので、グロテスクなものが苦手で白井先生の作品は嫌煙しているけど読んでみたい、って方はこのシリーズから読んでみるのがいいと思います。
このブログの白井智之先生の記事
◇長編『名探偵のはらわた』 名探偵シリーズ
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