【ミステリ】1月発売の新刊を読んだ感想【2024】

単行本『ファラオの密室』白川尚史 宝島社

第22回「このミステリーがすごい大賞」受賞作

古代エジプト神話 × 本格ミステリー

こういった神話などが物語に絡んでくる小説たちには、知識の暴力で殴られ辛酸を舐めさせられてきたが、この小説はそこらへんがかなり理解しやすく読みやすかった。

主人公セティの心臓を盗んだ犯人、監視のあるピラミッドから別の場所へと移動したミイラなどの作中の謎や、奴隷少女カリの行く末など、先をどんどん読ませる魅力がある。が、惜しいかったのはトリック。ミステリ好きなら推理は出来なくとも予想ができる範囲な所が残念だった。

だが、物語の展開、先を読ませる魅力、結末はかなり良くて読後感も良い。トリックが微妙なところを差し引いても、小説としてかなり面白い。

書誌情報

発売日:紙版 2024/ 1/ 9   電子版 同日
出版社:宝島社
予価 :¥1,650(税込)紙版 
判型 :単行本 四六判
ページ:328ページ 紙版

単行本『乱歩殺人事件―「悪霊」ふたたび』芦辺拓・江戸川乱歩

江戸川乱歩の未完作「悪霊」を芦辺拓 先生が完結を試みた挑戦的な作品。

「悪霊」作中の謎だけでなく、乱歩が「悪霊」を完結させることが出来なかったのか? までも謎として作品の中に取りこむ試みはかなり面白い。

僕個人の感想として、殺人現場に残された紙に書かれた記号が示すものについては納得できない。解くためには作中から手に入れられない知識が必要でアンフェアなのでは? と思ってしまった。

ただ、納得できない箇所があっても、「悪霊」に対しての一つの解答として作品自体は面白く読めた。

ただ、内容の良し悪しに限らず200ページ 2000円はちょっとお高いと感じてしまう。

書誌情報

発売日:紙版 2024/ 1/ 31   電子版 同日
出版社:KADOKAWA
予価 :¥2,090(税込)紙版 
判型 :単行本 四六判
ページ:216ページ 紙版

ミステリ
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うぐいすくん

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