初めに
2020年に刊行された白井智之先生の作品。
2022年に刊行された同著者の『名探偵のいけにえ ―人民教会殺人事件―』とは姉妹作の関係で世界観を共有しています。
刊行は本作品の方が先ですが、時系列は『名探偵のいけにえ』の方が先ですし、ネタバレになるような描写もないためどちらから読んでも大丈夫です。
好きな方から読みましょう。
◇姉妹作『名探偵のいけにえ ―人民教会殺人事件―』あらすじ、感想記事⇩
あらすじ
木慈谷にある神咒寺が火事で全焼した。被害者は7人。死者6名、重傷者1名。
火源は被害者7人自身で、灯油をかけられ火をつけられていたが、誰一人として逃げ出そうとした形跡がない。そして全員財布をもっていなかった。
浦野探偵事務所で助手を務める原田亘は、探偵の浦野灸とともに木慈谷を訪れ、現場に残された痕跡と共通点のある最近おきた放火事件から犯人を捜す。
さらにこの事件を皮切りに各地で次々と凶悪犯罪が起こり始める――
感想
白井智之先生の作品は描写がグロイテスクで独特の世界観なので敬遠されがちだと思う。
この作品は、そのグロテスクな感じが他の作品よりもかなり抑えられている。
……ように感じる。ので白井智之先生の本を読んでみたいけれど、グロイのはちょっと……という人は『名探偵のはらわた』から読んでみるのがいいのではないだろうか。
ただグロテスクというわけではなく、その独特な世界観におけるロジックから繰り出される多重推理はかなり癖になります。
抑えられていると言っても、グロテスクな表現はかなりあるので苦手な人は覚悟して読んでください。
ちなみに、続編ではなく姉妹作として『名探偵のいけにえ』という作品も刊行されています。
◇姉妹作『名探偵のいけにえ ―人民教会殺人事件―』あらすじ、感想記事⇩
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