今村昌弘『屍人荘の殺人』あらすじ、感想 ― デビュー作でミステリランキング三冠達成!

作品情報

  著者 : 今村昌弘いまむらまさひろ
タイトル : 屍人荘しじんそう殺人さつじん
 出版社 : 東京創元社
レーベル : 創元推理文庫
  判型 : 文庫判
ページ数 : 382ページ(文庫)
 発行日 : 2019 / 9 / 13(文庫)
【単行本発行日 : 2017 / 10 / 13】

受賞・ランキング

2017 第27回 鮎川哲也賞 受賞 
2018 第18回 本格ミステリ大賞 小説部門 大賞受賞 


2017 週刊文春ミステリー    1位 
2018 本格ミステリ       1位 
2018 このミステリーがすごい  1位 
2019 ミステリが読みたい    2位 

2018 本屋大賞  3位 

次作 「魔眼の匣の殺人」 屍人荘の殺人シリーズ#2

 

あらすじ

 事件が起きそうなシチュエーションを求めて、神紅しんこう大学の映研が開催する合宿に何とか参加しようと頼み込む、神紅のホームズことミステリ愛好会の会長明智あけち恭介きょうすけ

 ミステリ愛好会会員の葉村譲はむらゆずるは、何度断られても頼み込む明智を諦めさせるべく説得するが、突然現れた同じ大学の女学生、剣崎比留子けんざきひるこの口利きにより参加を認められ、映研の合宿場である紫湛荘を訪れた。

 映研の撮影、BBQに肝試しと合宿を過ごす面々だったが、ある“異常事態”により紫湛荘に閉じ込められ、外部への連絡手段も断たれてしまった。

 全員で協力してこの危機を脱しなければならないが、こんな状況で殺人事件が起きてしまう……

 

感想

 ネタバレになるのであまり詳しく感想を書けないが、とにかくクローズドサークルのアイディアが秀逸。

 さらに、なぜ外部と連絡が取れないのか、なぜ犯人は容疑者の中に自身が確実に入るにも関わらずクローズドサークルで殺人を犯すのか。などの理由に、クローズドサークルを形成する“異常事態”に基づくしっかりとした説得力がある。

 ネタバレ注意の作品だが、この作品はクローズドサークルを形成する“異常事態”のワンアイディアだけで評価されているのではなく、作品の世界観や本格ミステリとして一番重要なトリックが非常に面白いので、ネタバレで読む気が無くなった人もぜひ読んで欲しい。

 コミカライズと実写映画化もされていますが、まずは原作小説から読むことをオススメします。

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実写映画 Blu-ray

 

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◇長編「兇人邸の殺人」 屍人荘の殺人シリーズ#3

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