「小説を読みたいけれど長編は読みなくないなあ」
本好きならば一度はそう思った日があるでしょう。
この記事ではそんな時にオススメの短編小説と、その短編が収録されている書籍を5冊紹介します。
屋根裏の散歩者【江戸川乱歩 江戸川乱歩傑作選(新潮社)収録】
明智小五郎が活躍する江戸川乱歩の名作短編
その他にも江戸川乱歩の名作短編がいくつも収録されています。
あらすじ 屋根裏の散歩者
退屈な日々を過ごす郷田三郎は、ある日、下宿屋の押入れに屋根裏への入り口を見つけた。その日から郷田は屋根裏を散歩し、天井の隙間から他人の生活を覗き見することに楽しみを見出す。
ある夜更け、虫の好かない男の生活を覗き見していると、郷田の頭にある犯罪計画が頭に浮かぶ――
どんどん橋、落ちた【綾辻行人 どんどん橋、落ちた(講談社)収録】
犯人当てを軸とした綾辻行人先生の短編
最初のページに「この短編集は順番通りにお読みください」との注意書きがあるので読む際にはお気をつけて。
あらすじ どんどん橋、落ちた
「突き落とされた」そう言い残してユキトは息絶えた。
しかし、彼はどんどん橋が落ちたせいで断崖絶壁に一人で取り残されていた。彼は本当に突き落とされたのか? 突き落とされたとしたら犯人はどうやってユキトの場所まで行き、どうやって断崖絶壁から脱出したのか――
更新世の殺人【小林泰三 大きな森の小さな密室(東京創元社)収録】
そんなバカな! 思わずそう叫びたくなる短編
バラエティに富んだ短編集で、犯人当て、倒叙、安楽椅子探偵など、趣向の違うミステリが7編収録されています。
あらすじ 更新世の殺人
死体の推定死亡時刻は百五十万年前。
その死体が発見されたのは新生代第四紀更新世の地層の中。
しかし、死体は死後一日と経っていないような綺麗な状態だった――
つるの倒叙がえし【青柳碧人 むかしむかしあるところに、死体がありました。(双葉社)収録】
つるの恩返しを元に書かれた本格ミステリ
この短編集に収録されている短編は、全て昔話をミステリに仕立てています。
あらすじ つるの倒叙がえし
弥兵衛は、借金の返済を待ってくれない床屋を殺した。死体を奥に隠し終えた時、弥兵衛の家の戸口が叩かれた。
罠から助けてもらった鶴は、その人間の家の戸口に降り立つと、人間の女に姿を変え戸口を叩いた。
早朝始発の殺風景【青崎有吾 早朝始発の殺風景(集英社)収録】
登校するには早すぎる始発に乗ったクラスメイトの目的を推理する密室劇。
連作短編集ですが一つ一つの物語は独立していて、最後のエピローグ以外はどれから読んでも大丈夫です。
ちなみに殺風景というのは登場人物の苗字です。
あらすじ 早朝始発の殺風景
ある目的のため始発の電車に乗り込んだ加藤木は、電車内でクラスメイトの殺風景と出会った。登校には早すぎる時間帯。殺風景にもなにやら目的があるらしい。
殺風景が加藤木に探りを入れたため、二人は互いに相手の目的を推理しあることに――
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