『化石少女と七つの冒険』麻耶雄嵩 | あらすじ、感想 – 秘密を守るため推理力があると気づかれてはいけない

初めに

 2023年刊行の麻耶雄嵩まやゆたか先生の作品。

 化石少女かせきしょうじょシリーズの第2作目になります。

 前作のように探偵役の推理を助手役が一蹴する。
 という構成なのですが、今作では助手役に推理を否定する理由が出来ており、前作と同じ構成ながらも違った面白さがあります。

 序盤に前作のネタバレがあります。
 また、前作を読んでいるかいないかで作品の面白さが変わるので、前作を読んでいない方はぜひ前作からお読みください。

◇シリーズ#1『化石少女』のあらすじ、感想記事⇩

書誌情報

  著者 : 麻耶雄嵩まやゆたか
タイトル : 化石少女かせきしょうじょなな冒険ぼうけん
シリーズ : 化石少女シリーズ #2
 出版社 : 徳間書店
レーベル : 徳間書店
  判型 : 単行本
ページ数 : 320ページ(単行本)
 発行日 : 2023 / 3 / 1(単行本)

 

あらすじ

 まりあと彰は進級し、古生物部は廃部の危機を何とか乗り越えた。

 昨年と同様にペルム学園で殺人事件が起こるが、生徒会との関りが無くなったため、古生物部は蚊帳の外のはずだった。

 しかし、容疑者になった生徒が古生物部が探偵の真似事をしていると聞きつけ、訪れたことによって事件を調べることになる。

 昨年と違い、彰にはまりあの推理が当たってはいけない理由が出来ていた――

 

感想

 前作では助手役が推理を否定するため、作中で事件が解決せずにもやもやとしたが、今作では助手役に否定する理由が出来ているため、そのもやもやがなく楽しめた。

 また、新入部員が入ったことや作中の出来事により変化していく、まりあと彰の関係からも目が離せない。

 だが、前作は古生物の知識が推理のひらめきに一役買っていて、そこが設定を生かした面白いポイントであったが、今作ではそれがないのが残念だった。

 今作で探偵役の神舞まりあは卒業間近。学園ものとしては今作で終わるのが区切りがいいため、シリーズ次回作の刊行は期待できなさそう。

 だが、今作でシリーズとしてかなり面白くなり、登場人物の今後がかなり気になる。
 期待値が低くても次回作を期待せずにはいられない。

コメント