初めに
2019年に刊行された今村昌弘先生の作品。
『屍人荘の殺人』から続く、シリーズの2作目。
今作では「二日のうちに四人死ぬ」という予言が鍵になっています。
果たして予言は本当なのか?
前作の結末を明確に言及することはないですが、前作の事件を色濃く引き継いでいますので、『屍人荘の殺人』を読んでから読んで下さい。
◇屍人荘の殺人シリーズ1作目『屍人荘の殺人』のあらすじ、感想記事⇩
次作 「兇人邸の殺人」 屍人荘の殺人シリーズ#3
あらすじ
娑可安湖の事件から数か月。
その事件の黒幕、班目機関を調査するも一向に進展のない葉村譲と剣崎比留子だったが、オカルト雑誌の編集部に、娑可安湖で起きた事件の予言が届いていたことを知る。
調査の結果、班目機関が超能力の研究を行っていたことを突き止め、その研究所があったと思われる土地、真雁を訪れた。
そこにいたのは、予言者サキミ。
「あと二日のうちに、真雁で男女が二人ずつ、四人死ぬ」
サキミが葉村たちにそう告げた直後、真雁と外部をつなぐ唯一の橋が燃え落ち、真雁に閉じ込められてしまった。
真雁に閉じ込められたのは、サキミに会いに来たものとトラブルで偶然真雁を訪れたもの、サキミとその世話係の11人。
そして、予言通りに一人が命を落とす――
感想
前作の『屍人荘の殺人』が名作だったので、今作にはかなり期待を寄せていたが、今村先生はその期待を軽々飛び越えてくれました。
今作の鍵となるのは予言。非科学的な事象を用いた特殊設定ミステリですが、しっかりと本格ミステリになっています。
また、前作同様にクローズドサークルの設定がしっかりと作りこまれいるのが凄くいい!
クローズドサークルが作者の都合で出来上がっている感じがしないのが良いですね。
次回作以降もこのクオリティの本格ミステリを期待。
だけど、刊行ペースは落としてほしくない!
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