紹介
愛蔵版 古典部シリーズⅠにのみ収録されている短編小説
エピソードとしては、漫画版の「氷菓」にのみ存在したものがついに小説化!
ある日、折木が古典部の部室に行くと、千反田と伊原が机の上に置かれた箱とにらめっこをしていた。箱には4桁の暗証番号で鍵が掛かっており、その番号を示すと思われる3枚の紙も置かれている。どうやら里志が用意した暗号らしい。3人は箱を開けるため暗号を解く――
「氷菓」古典部(氷菓)シリーズ#1
「愚者のエンドロール」古典部(氷菓)シリーズ#2
「プールサイドにて」愛蔵版に収録されているもう一つの短編
あらすじ
寒くなってきたせいで、自ずと部室から足が遠のいていた折木だが、その日は用があったため久しぶりに部室を訪れた。
部室では千反田と伊原が何やら箱を覗き込んでいる。どうやら里志が用意したものらしい。箱には4ケタの番号が必要な鍵がかけられており、その番号を示すものと思われる暗号が3枚の紙に書かれていた。
里志はお見舞いがあると急いで帰ったらしい。一体、箱の中には何が入っているのか。3人は暗号を解くため頭を捻る。
感想
初出はアニメBD-BOXの特典漫画として収録され、のちに漫画11巻に収録されたエピソードがついに小説化!
ほとんどのコミカライズ作品は、絵も漫画も下手な人が担当して微妙な作品になることが多いですが、漫画版『氷菓』はかなり出来がいいので、漫画版の『クリスマスは箱の中』だけでも十分満足でしたが、頭の片隅では小説で読みたいなと思っていました。
その作品がついに小説化です! こうなってくると、次の愛蔵版にはどんな特典が収録されるのか楽しみになってきます。
それはともかく短編の感想
古典部シリーズでは珍しい暗号もの。パズル的な謎で普段の作品の雰囲気とはかなり違った作品。
いつもは気だるげな折木が何だか機嫌がよさそうで、千反田と伊原に促されることなく暗号解読のために頭を捻ったり、冗談を言って二人にスルーされたりとなんだがいつもと違う雰囲気。
そして何故か最後には冷たい視線を送られることに……
「氷菓」も「愚者のエンドロール」も角川文庫版をすでに持っていましたが、この短編と「プールサイドにて」が読めただけでも買ったかいがあります。
「プールサイドにて」 愛蔵版に収録されているもう一つの短編
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