紹介
1934年刊行の海外古典ミステリの名作
著者はミステリの女王、アガサ・クリスティー
クリスティーといえば真っ先にこの作品を上げる人も多いでしょう。
2017年には二度目の映画作品が公開されました。
この小説のあらすじ、
オリエント急行内で起こった殺人。被害者は刃物で何度も刺されている。
その刺傷は、右手で刺した傷もあれば左手で刺した傷もあり、犯人の利き腕は不明。刺傷の深さもまばらで、男の力で刺したような深い傷もあれば、女の力で刺したような浅い傷もある。
さらに、乗客全員にアリバイがあった。
たまたまこの車両に乗り合わせた、探偵ポアロはこの不可解な事件を解けるのか――
名作と言われるだけあって、意外な真相、犯人でめちゃくちゃ面白い。犯行現場にいろんな証拠があるのにも関わらず、犯人像が浮かばないうえ、その証拠がさらに犯人像をぼやけさせている。誰が犯人なのかとワクワクしっぱなしだった。
おすすめの出版社 三選
早川書房 ハヤカワ文庫 クリスティー文庫
最初のおすすめは、早川書房のクリスティー文庫
2011年に新訳版が刊行されており、訳者は山本やよいさん
紙の本の値段は1000円ちょっとくらい。kindle版あり。
kindle版がある翻訳のなかで値段的には一番高いのですが、kindle版を買うならほぼ間違いなくクリスティー文庫でしょう。
他の出版社のkindleもありますが、一社は児童向けを展開している偕成社、もう一社は翻訳の評判が悪いグーテンベルク21なので、基本的はクリスティー文庫を買った方がいいです。
また、クリスティー文庫しか翻訳していない作品があったり、独占して翻訳権をもっているクリスティー作品もあるので(「そして誰もいなくなった」等)、他のクリスティー作品も買う場合は統一感が出ます。
なので、紙の本の方もオススメで、集めて本棚に並べた時に壮観なのはクリスティー文庫です。
光文社 古典新訳文庫
次におすすめするのは光文社古典新訳文庫から刊行されているもの。
2017年に公開された映画に合わせたのか、2017年に刊行されています。
訳者は安原和見さん
値段は990円。kindle版はないです。
他の出版社と違った良いところは、特製の栞です。
普通の栞よりも少し大き目で、表裏に登場人物とオリエント急行の見取り図が載っています。
これが凄く便利で、翻訳物の登場人物は全員カタカナなのでめちゃくちゃ覚えづらい。
なので、何度も本の始めや、表紙の折り返しにある登場人物一覧を見返したり、登場人物が出るたびに紙などに名前と特徴を書いたことが、読書好きなら一度はあるでしょう。
だが、この栞があればそんな煩わしさからはおさらばです! 凄く見やすい!
デメリットとしては、本の中に見取り図は書かれているが、登場人物一覧はないので栞を無くしたら登場人物一覧が眺められなくなります。この本専用の栞にして挟んだままにしておけば無くさないと思いますが、古本で買うときは注意ですね。
KADOKAWA 角川文庫
最後は角川文庫版。
こちらも映画の公開に合わせたのか2017年刊行。
訳者は田内志文さん。
kindle版はなし。
角川文庫版のおすすめポイントは値段です。
通常、翻訳物は普通の本よりも高くなるのですが、角川文庫版の値段は、
660円(税込み)
圧倒的な安さ。先に紹介した二つは約1000円だったのに対し、圧倒的な安さである。出版社は儲かっているのか、訳者に印税がちゃんと払われているのか心配になるレベル。
とりあえず名作って言われてるから読んでみよう、と思っている人におすすめ。
まとめ
早川書房のクリスティー文庫
kindle版で欲しい。クリスティー作品を紙の本で揃えたい人。
光文社古典新訳文庫
登場人物が書かれた栞が魅力的だと思った人。
角川文庫
とにかく安く本を買いたい人。
他にも「オリエント急行の殺人」を刊行している出版社はあるのですが、僕は翻訳物は新しく翻訳された物のほうが現代的な言い回しで読みやすいと思っているので、それを基準に三社選びました。
ちなみに僕は、光文社古典新訳文庫を持っています。理由は2019年に光文社と乃木坂46がコラボして乃木坂メンバーが表紙のものが刊行されたから。クリスティー作品はクリスティー文庫で集めていていたが、『乃木坂が表紙』という誘惑には勝てなかった。
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