2015年刊行 作者は青崎有吾
タイトル末尾に「1」が付いているようにシリーズの第一作目
150ページくらいの中編が二作収録された中編集です。
この本のあらすじ
吸血鬼や鬼に不老不死、はたまた人造人間など異形の怪物が存在する世界。
”怪物専門の探偵”輪堂鴉夜と、何故か鳥籠を持った助手の真打津軽は、不思議な特性を持つ怪物が関わる、不可解な事件の謎を解き明かしていく。
ドラキュラにフランケンシュタイン、シャーロックホームズやオペラ座の怪人まで存在する、
カオスなシリーズです。
表紙のイラストを描いているのは、なんと人気漫画家の大暮維人先生。大暮先生の描く絵はすごく目を惹く魅力的なものがありますね。
……でも表紙の人形の体をした女の子はいったい誰だろう?
感想
有名な小説に出てくる怪物や探偵を、これでもかというくらい詰め込んだカオスなパスティーシュ? オマージュ? 作品。
カオスな作風を面白がるなんちゃってミステリかと思えば、ミステリの部分はしっかりと作者の持ち味であるロジカルな推理で構成されていて、本格ミステリを期待して読んだ僕みたいな読者も、ちゃんと楽しませてくれる。
また、誰でもしているような有名な怪物や探偵が、ちょっとだけ、名前だけ登場したり、主人公たちの目的は今後どうなっていくのか。などシリーズの行く先も気になる。
本格ミステリ好きとしては、本格ミステリの枠を超えずにシリーズを展開して欲しいです。
2023年7月よりTVアニメ化が放送。
本格ミステリは現場検証や事件の推理、推理を披露とワンシーンの会話劇になることが多く、映像化したときに地味な作品になりがちだが、本作は推理はあっさりわかりやすくまとめられていてバトルアクションもあるためアニメ映えしそうなのでかなり期待しています。
アニメよりも原作小説から読みたい人は、原作小説で隠されている部分がアニメ公式サイトのキャラクター紹介に書かれていたりするので、アニメ関連の物には注意した方がいいです。
コミカライズもされており、2018年に単行本3巻を発売して以降、音沙汰がなかったのですが、アニメ化に合わせたのか、単行本4~7巻が電子版のみで発売されています。
漫画版はまだ最初の数話しか読んでいないのですが、小説を漫画化ってよりも小説を漫画に変換しました。って感じがして、原作小説を読まずに漫画から入るっていうのはあまりおすすめ出来ないです。
原作を読み終えた後にファンブックとして買うのがいいかも。
あっ、あとアニメと漫画でキャラデザが違います。
青崎有吾の他の作品
『体育館の殺人』 裏染天馬シリーズ#1
『早朝始発の殺風景』 連作短編集
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